「寝る時間は多ければ多い方がいい」「寝溜めはできる」のは睡眠の間違った知識。日本人は睡眠に関して誤解していることが多いのです。
今回は日本人が誤解している睡眠知識を10個ご紹介し、睡眠研究の総本山であるスタンフォード大学の知見から正しい睡眠知識をお教えします
参考文献:スタンフォード式最高の睡眠 西野精治 著 サンマーク出版
目次
日本人が誤解している睡眠知識10選出!
誤解1:睡眠時間は多い方がいい
睡眠時間は多ければ多い方がいい、というのは間違いです。ある調査結果では、12時間以上の睡眠を継続した人は、肥満になったということが分かっています。
睡眠に限らず、モノや学習などにも言えることですが、「量より質」というのは世界の常識になりつつあります。
誤解2:寝溜めはできる
平日の睡眠不足をカバーするために土日に寝溜めをする人も多いのではないでしょうか。
睡眠研究で分かったことは、人間は寝溜めはできないということ。1日でも睡眠不足になると「睡眠負債」が生じてしまい、この負債を返済するまでに2,3週間かかってしまうそうです。
誤解3:90分の倍数時間寝るといい
6時間、7時間30分、9時間…というように90分の倍数時間の睡眠を取るといいと思われがちですが、これも誤解です。
レム(浅い)睡眠とノンレム(深い)睡眠が交互に現れる周期が90分なので、睡眠もこのリズムに合わせるといいと言われてきました。実際は90分周期とは限らないのです。
むしろ大切なのは、最初の90分の睡眠をいかに深いものにできるか。
ちなみに、それを深いものにするためには日中に太陽光を浴びていることが大切。睡眠の質は最初の90分で決まります。
誤解4:夢を見る睡眠はよくない
レム睡眠では眠りが浅いので夢をよく見て、ノンレム睡眠では眠りが深いので夢を見ないと思われていましたが、実際は違います。
ノンレム睡眠でも夢を見ることが分かったのです。夢の種類が違うとのこと。レム睡眠はストーリーを含む実体験に近い夢、ノンレム睡眠は抽象的で辻褄が合わない夢を見るそうです。よって、夢を見るから眠りが浅い、よくないというのは誤解になります。
誤解5:寝る前の飲酒は悪い
寝る前にアルコールを摂取することは、一概には悪いとは言えません。
大量のアルコールを摂取するのは睡眠の質を下げますが、度数が高くても少量のお酒なら問題ありません。少量のテキーラをクイッと飲んで寝るのもありなのです。
誤解6:寝る前はシャワーよりも入浴がいい
確かに寝る90分前に入浴をすますことができればベストです。入浴によって深部体温が上がり、90分経つ頃には下がって深い睡眠を取ることができます。
しかし、それほど時間が取れない人、すぐ寝る人はシャワーがいいのです。深部体温を下げるのに90分もかからずにすみます。
誤解7:夕食は抜いたほうがいい
胃が空っぽの状態で寝ると良い睡眠が取れる、これは間違いです。
逆に睡眠の質を低下させます。夕食はしっかりとって睡眠する方が睡眠の質は向上します。
誤解8:寝る前に冷たいものを食べるのはよくない
睡眠の直前は深部体温が低下します。
寝る直前に冷やしトマトのような冷たい食べ物を食べることで、深部体温を低下させてくれるのです。
誤解9:寝る前には羊を数えるといい
「羊が一匹、羊が二匹、…」という羊の数え方は、実は入眠によくありません。そもそも「ひつじがいっぴき」と言いにくいですよね。
この「羊」は英語圏では「sheep」、睡眠の「sleep」と似ているから採用されたという説が有力です。よって、日本語で言いにくい「ひつじ」は入眠によくありません。
誤解10:ふかふかのベッドで寝るといい
アスリートを対象にしたベッドの柔らかさとい8うlk睡眠の質の関係の調査によると、体操選手やバレリーナは柔らかいベッド、野球選手やアメフト選手は硬いベッドの相性がよかったことが分かっています。
競技や志向性などが影響し、一概に全員がふかふかの柔らかいベッドで寝るといいとは限らないのです。一般人にも言えることですが、硬めのベッドの方が相性がいい人もいるのです。
科学的根拠に基づいた睡眠を!
上記の中の知識の中には、誤解していたものも多かったのではないでしょうか。
睡眠の質を高めることは、仕事やスポーツ、勉強などあらゆる場面での良いパフォーマンスに直結します。ぜひ科学的な睡眠研究の知見をあなたの生活にも取り入れてみてください!