猫を飼っている人なら必ず気づく、両耳元の外側にある小さいポケットのような小さいヒダ。
まるで餃子の折り目のようになっており、もしかしてうちの猫だけ…?と不安になった人もいるんではないのでしょうか。
実はこの耳にある小さい餃子の折り目のおようなもの、耳袋ともいわれていますが、正式な名前は日本語で「縁皮嚢(えんぴのう)」英語では「Henry’s Pocket(ヘンリーのポケット)」といいます。どちらにせよ変な名前ですね。
実はネコ科全般や犬の一部にもについているものなので、すべての猫ちゃんの耳についているので別にへんなものではないのです。
しかもこのエンピノウ、またはヘンリーのポケット、ただ何となくついているのではなく、ちゃんと重要な機能を担っているからこそ存在しているといわれています。
その重要な機能とは「高音を聞き取るため」「耳を動きやすくするため」です。
人間より犬、犬より猫の方が聴力が優れています。小さい音でも聞こえるのはもちろん、人間には聞こえないような高周波な音「30Hz〜6.5万Hz」を聴くことが可能です。
通常の人間では「20Hz〜2万Hz」なので、3倍高い音を聞き取ることができるので、獲物が出す小さい音や鳴き声なども聞こえるわけです。
このポケットがある上で、なぜ高音がよく聞こえるようになるのかのメカニズムはわかってないようです(!?)
弦楽器のハーモニクスのように、1つの音に対して余計な周波数の音をカットして高音だけ反射させて聞こえるような構造になっている・・?のでしょうか。
そして「耳を動きやすくするため」という説ですが、こちらも確かにそうだろうと思います。
猫はよく耳が単独で動きます。ぐるぐる回ったり、上方向に動いたりふさぐようにうごいたり。
こう動くと、耳の根元に負担が来るわけです。
ここにクリアファイルの画像があります。急に全く関係ない話をしているわけではありません。
クリアファイルの右下部分に少し切れ目・切れ口があるのをご存じでしょうか。
大体のクリアファイルは、開口の下部分にこういった切れ込みが入っています。
一体なぜか、そう。「クリアファイルを大きく開いたとき、下部分に負担がかかり破れてしまうのを防ぐため」なんです。なんとなくイメージで分かる人もいるでしょうが、実際に使ってみるとよくわかります。
つまり、同じ理由で猫の耳も根元にヒダポケットがあることで、耳を大きくネジったときにくる耳元のツッパリの負担を逃しているのではないかと勝手に予想しています。
上記理由のように、結構合理的な理由でこの耳の機構はあったようです。
最近では人間の盲腸も、実は必要だったんじゃないか説がありますが、生き物にとって無駄なもの・意味のないものなんてないのかもしれません。