よく聞く、「電車を止めると鉄道会社から止めた分の多額な損害金を請求される」という噂。
置き石で電車を止めたり、踏切で無理に車で渡ろうとしてしまったり、自殺などの人身事故など電車が止まってしまう事故は様々です。
電車を止めてしまうと、うん千万や億レベルで請求されるというこの噂は本当なのでしょうか。
短めに説明しようと思います。
故意なのか、過失なのか、正当な理由があるかどうが
一概に電車を止めたから全員が損害賠償を請求されるのかといえばそうではありません。
例えば高齢者が踏切で渡れなくなっていた・ホームに子供が落ちたので、緊急停止ボタンを押して電車を止めた。これは正当な理由だと言えます。こういった正当な理由で損害賠償が請求されることはまずありません。
次に過失です、家の洗濯物が風に飛ばれて架線にかかり、ショートして電車が止まってしまった。踏切をギリギリのタイミングで車で無理矢理渡ろうとしたら挟まれてしまった。
電車を止めようとしたわけではないが、自分の過失の結果により電車を止めてしまったケースは賠償金が請求されるケースがあります。また止めるだけではく電車自体に損傷を与えたり、乗っている人などにケガなどをさせてしまった場合はより請求される可能性が高くなります。
そして故意です。電車が止まるだろうとわかっていて行う・止めるために行為です。置き石や線路を走る、飛び込み自殺や線路に向かって物を投げたり自分から電車を止めに行こうとする行為です。
こちらは悪質なケースですので、損害賠償が請求されるケースが多いです。一律の対応ではなく結局賠償請求をするかどうか・いくら請求するかは鉄道会社によって異なりますが、最終的には同じ人間が判断するので、その事故を起こした理由と規模が大事になってきます。
よくある飛び込み自殺については、電車を止めようとして行っている行為ではなく、死のうとして飛び込んだ結果電車が止まっているので完全な故意とは言えませんが、飛び込み自殺をすれば電車が止まることはわかっていますし、周りの方への精神的なショック、破損した車体、ケガをした運転手など規模によっては賠償金が請求されるケースもあります。
賠償金の相場は
では実際鉄道会社からいくら請求されるものなのでしょうか。
もちろんその鉄道会社の規模や輸送員数、止めた時間や破損やケガがあった際のケア費など一概には言えません。しかし単純に考えれば主要なターミナル駅でラッシュ時に止めてしまうと1時間で数億円以上のお金が止まることになります。
ではその費用を個人に全て押し付けるのか、はっきり言うと個人で数千万~数億円の請求をしたとしても払えるわけがありません。なので結局は協議の上数百万の範囲になるケースが多いようです。
止めた理由が悪質で被害規模が大きければ大きいほど金額は大きくなっていきますが、起こした本人が個人であれば、多くても1千万程度が限度です。
自殺の場合、賠償金は遺族が支払わなければいけないの?
身内が自殺をし、電車を止めてしまった場合は遺族へと賠償金が請求されることになります。
そうなってしまった場合、急に自分に多額の賠償金がのしかかることになります。
しかしこちらは相続を放棄することで、支払わなくて済みます。しかし親が自殺した場合は親の所有している家や車なども手放す必要があります。
また認知症や要介護の人が電車によってなくなった場合は監督者に賠償金が請求される場合があります。
こちらは相続破棄などは出来ず、支払えない場合は自己破産せざるをえないケースもありますので、注意が必要です。