日本では認められていませんが、世界各国の中では積極的安楽死が認められている国があります
オーストラリアのビクトリア州では安楽死を合法とする法案が可決され、2019年6月から他人が幇助する積極的安楽死が認められることになっています
オーストラリアのNitschkeという医師はこの法案が可決された数日後にこの内容を受けてか自殺幇助マシーン「サルコ(Sarco)」を発表しました
そう、これが安楽死マシンです。仕組みや実用について気になったので調べてみます
どういった仕組みで安楽死するのか
Experience your own virtual VR #euthanasia death in the 3D printed Sarco at the Amsterdam Funeral Expo this Sat 14th and meet the designershttps://t.co/Eb7CZpGf5S pic.twitter.com/gdHX9pVM7e
— Philip Nitschke (@philipnitschke) 2018年4月10日
仕組みはいたって簡単です。この機械の中に入ってボタンを押すと、機械内で閉じ込めておいた-196度の液体窒素がこのSarco内と繋がり、圧縮されていた液体窒素が急激に気化を始めてSarco内を窒素で満たします。
液体から気体になる時に窒素の体積は約700倍まで膨れ上がります、Sarco内にある酸素は急激に気化して満たされた窒素に押しのけられ、結果Sarco内の酸素濃度が急激に下がります
結果、人は低酸素状態となり1分以内に意識を失い、酸素欠乏症で死ぬというフローになっています
ではこの間の1分間は酸欠で苦しむのか、Nitschke博士によると「Sarcoのもたらす死に苦しみはない。窒息もチョーキングもない。なぜなら自殺者は低酸素環境でも容易に息をすることができるからだ。症状はある種の多幸感と酩酊と言えるだろう」とのこと
逆にこわっ…
実用化は?どこで誰が使えるの?
Sarcoはまだ作成途中で、2019年にはSarcoの3Dプリント用データをオンライン配布する予定となっています。
利用したい人は、ネットで”メンタル問診票”に回答し、この問診票によって本人の心の健康が証明されることが出来れば4桁のコードが発行され、それをsarcoに入力後、最終確認が終わり次第使用が可能になるそうです
3Dプリンターでは1,500ドル程度(日本円で17万円前後)で作ることが可能であり、カプセル本体の造形には生分解性プラスチックと木材を適用されているので、安楽死後にそのまま棺桶として使用できるようです
安楽死した後の処理が不要で、放っておけば自然に帰るということですね
火葬や海に散骨してほしい方はここから一度遺体を取り出して貰う必要がありますね
これを見つけた瞬間嫌な気持ちになることは間違いなさそうです
倫理的問題は?
こういった自殺幇助マシンに批判が上がるのは火を見るより明らかです
このSarcoを開発したNitschke博士は、安楽死の専門家医師として多くの自殺幇助を経験し、医師免許停止処分になっている方です
Nitschke博士は「死ぬ権利」という公民権があると主張しており、Exit Internationalという安楽死推進団体を設立した人物です。
重度の病気から回復が見込めない人や、既に高齢により自分の手で人生を終えたい人に安楽死を認めている国は増えていますが、こういった自殺幇助マシンの開発については自殺のハードルを下げる、悪用されやすい等の意見も出ています
一体このSarcoが実用される日が来るのか。これからの超高齢社会の日本においても一石を投じるマシンですね