液晶テレビは約20年前ほど前から次第に普及し始め、今ではほぼ100%の人が液晶テレビを使用しています。
逆にブラウン管テレビを知っている人は年々減っていき、すでに記憶から消えてしまった人も多いと思います。
大きいし重いし大きさも限られるブラウン管テレビ。思い出してみると、画面の部分が浅く円形に湾曲していなかったでしょうか?
液晶テレビは液晶部分は完全に平面ですが、ブラウン管テレビやブラウン管のPCモニタ等ってなぜかどれも画面が球面みたいになっていますよね。
正面から見てるとわかりづらいですが、横から見るとちょっと湾曲しているのがわかります。
一体なぜブラウン管は、画面が球面に湾曲しているのでしょうか?理由がないわけではないはずなので、調べてみます。
なぜブラウン管は画面が湾曲しているのか
ブラウン管テレビと言えば、ざっくりというと中が真空になっていて、裏から液晶部分へ電子ビームを照射させて映し出すという仕組みです。
厳密には違いますが、プロジェクターみたいな仕組みのものですね。
なぜ湾曲していないといけないのか?ビームの照射の都合でしょうか、調べてみると別の理由でした。
ブラウン管の画面が湾曲しているのには大きく分けて2つの理由がありました。
その1 ピンぼけを防ぐため
先述しましたように、ブラウン管テレビは奥の方から電子ビームを手前の画面部分に照射します。
その照射を行う際に、仮に平面な板に照射すると、真横の部分とそれ以外の部分では電子ビームを当てる距離が違いますよね。↓図で見ると分かりやすいです。
見ての通り、真横とそれ以外の部分に線を引いた場合、真横が最短でそれ以外は距離が遠くなってしまいます、そうなるとどうなるか、距離が遠くなればなるほど映像が引き延ばされて、魚眼レンズのような映り方になってしまいます。
懐中電灯の光を斜めに当てると楕円みたいな形になりますよね。そんな感じです。
端へ行くほどその湾曲・ピンボケが酷くなるので、それを解消するために液晶部分を湾曲させて防いでいるのです。人間や動物の目なども同じ仕組みですよね。
最初から湾曲しているものを矯正するために、再度湾曲させて戻しているということですね。
話は逸れますが、まだブラウン管の時代のドット職人は、ブラウン管の湾曲による差異を加味した上で作成していたそうです。
その2 耐久性を上げるため
ブラウン管テレビの中は真空になっています。つまりずっとブラウン管の中から液晶部分が引っ張られている状態になっています。
ブラウン管の液晶部分はガラス製なので、割れてしまったら色々と大変です、少しでも衝撃を逃がせるように・もし割れた際にガラスの破片が中に飛ぶようにこのような形になっています。
飛行機や深海探査機などの窓も球面になっていますよね、水圧や気圧などの力を均等に分散させることができる球体となっています。
以上の2つの理由からブラウン管テレビの画面部分は湾曲しているということが分かりました。
技術の進歩により平面で湾曲していないブラウン管テレビもあったそうですが、やはり大画面にすることが難しい理由から普及はしませんでしたね。