よく建築現場や工事現場で働いているお兄さんが履いているこれ
このズボンの名称は調べてみると「ニッカポッカ」という名称、聞いたことはありますね。これを指すとは知らなかったですが。
なんで鳶職の方はこのニッカポッカを履いているのでしょうか。学生時代にダボダボなズボンを履いていたり、今でもダボダボなズボン(サリエルパンツ等)をファッションとして履いている人はいますが、こちらは作業着なので何か理由はあるはず、でも何かに挟まったり取り込まれたら大変じゃない?と気になります。
目次
何故ニッカポッカはダボダボなのか
まずニッカポッカとは
まずは安心のwikipediaから、ニッカポッカについて調べます。
ニッカーボッカーズはズボンの一種で、長さが膝下までですそがくくられた短ズボン。野球、ゴルフなどのスポーツウェアとして広まり、現在日本では土木・建設工事の作業服として多く見られる。ニッカ(ー)ボッカ(ー)(ズ)、ニッカポッカ、ニッカズボン、ニッカー(ズ)とも呼ばれる。
ニッカーボッカーズの起源は、オランダからアメリカへの移民が着用していたブリーチズと呼ばれる短ズボンである。
1809年、ワシントン・アーヴィングが『ニューヨークの歴史』というニューヨーク(旧ニューアムステルダム)に住むオランダ人移民者についての本を著した。この時、アーヴィングはオランダ系の名前であるディートリヒ・ニッカーボッカー というペンネームを用いた。この本が人気を博してくると、次第にニューヨークのソーシャライトを形成したオランダ人移民とその子孫のことを”ニッカーボッカー”と呼ぶようになり、さらに本の挿絵で彼らがはいていた短ズボンがニッカーボッカーズという名前で呼ばれるようになった。
現在でも英語でKnickerbockerというとオランダ人移民のことを指す。
ニッカーボッカーズが広まった当初、すそが邪魔にならないとして野球・ゴルフ・乗馬・自転車・登山などのスポーツウェアとして多く用いられた。日本でもそれらの用途で広まったが、今では工事現場の作業着として用いられることが多い。また、一部の祭りで、神輿等の担ぎ手が股引と同じ用途で着用する場合も多い。
正式名称はニッカポッカーズで、オランダ由来、スポーツウェアとして広がったようです。
では一体何故鳶職さんはニッカポッカを使っているのか、その理由は何個か存在します。
理由その1 バランスがとれ、風の強さも測れる
鳶職さんは、高所の柱の上等のバランスが悪い場所での作業がメインであり、もし落ちてしまったら命にも関わります。
ズボンが横に膨らんでいることで、鳶職さんの下半身のバランスがとりやすくなり、それによって安定するメリットがあります。
またこのダルダルな部分に風が当たることによって、風の強さを測ることが出来るといわれています。高所で作業する都合上、風はバランスを崩す原因ですので、ニッカポッカにより風の強さを感じ測ることで落下リスク回避をしているわけです。
理由その2 動きやすくて安全
ダルダルなニッカポッカですが、足首から太ももにかけてはキュッと絞った形になっており、動き回る場所では足元がすっきりしており動きやすくなっています。
また股の部分はダボダボなことにより、股関節から足を動きやすくしているようです。なのでスボンに比べて足も開きやすいので、狭い足場でも座ったり股を開くことが容易になります。
ズボンが肌と離れていることにより、作業中に建材や金属等に引っかかる・刺さってしまった際の緩衝になってくれます。たしかにむき出しの釘が刺さっても皮膚までは刺さらなそうなダボダボ具合ですね。
さらにこのダボダボ部分がセンサーとなるので、より下半身回りの状況を察知できるメリットもあります。
以上の理由から鳶職さんが愛用しているようです。
この先ニッカポッカは絶滅するかもしれない
今までも街でみかけるニッカポッカですが、実はこの先絶滅するのではとささやかれています。
その絶滅する理由としては
・ダボダボしていてニッカポッカ自体の世間イメージが悪い
・ニッカポッカに比べてズボンの方が誠実・綺麗な印象
・既に大手ゼネコンやその系列会社制服は機能性のズボンに変わっている
・今は高機能なズボンが多く、ニッカポッカより安い。
・ニッカポッカの機能デメリット(引っかかりやすい)が大きい
・作業場自体で禁止されているところもある
等です、特にイメージの部分は強く、大手企業は企業イメージを下げないように採用していると思います。
もしかしたら10年後、20年後にはニッカポッカは幻の作業着となってしまうかもしれませんね。